オーストラリア陸軍レシピ集AUSTRALIAN ARMY RECIPE ARCHIVE
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100人分の台所に、
教本があった。

1944年、クイーンズランド州の兵站地域司令部が編んだ『Army Cooking Manual(陸軍調理教本)』。オーストラリア陸軍の調理兵たちが、糧食(レーション)から100人分の食事を作るために学んだ料理を、教本の原文(英語)と、材料・作り方の現代日本語訳で読む史料レシピ集です。

収録方針:原文で材料と作り方が実際に確認できる料理だけを載せます。分量は原書の記載のまま100人前です。料理名だけが目次で確認できても、作り方が書かれていないものは収録しません。創作した「原文」は載せません。

ユーカリの林に設営された野戦厨房で、ドラム缶のかまどに大鍋をかけ、スラウチハット姿のオーストラリア陸軍調理兵たちが調理する様子を描いたイラスト
挿絵:クイーンズランドの野戦厨房を描いたイラストレーション(写真ではありません)

TODAY'S DISH

今日の1品

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教本と、その時代

本書は、糧食そのものから「おいしく、見た目よく、栄養の偏らない」食事を作るための実務書でした。南西太平洋の前線では生鮮食料の補給が難しく、保存肉(缶詰肉)、乾燥食糧、全粒小麦の活用が大きな課題になっていました。本書の構成がそのまま、その事情を物語ります。

1944昭和19年

Army Cooking Manual

正式な題は「オーストラリア陸軍:糧食(乾燥成分を含む)の調理法と献立の提案、ならびに給養・調理担当者への実用的な助言」。クイーンズランド兵站地域の副補給局長補佐(D.A.D.A.C.)が編纂した。番号付きのレシピが約300、すべて100人前を基準に書かれている。

発行:1944年6月1日/クイーンズランド兵站地域司令部(序文は同司令部次席参謀 G. Green 中佐)
100人前が基準

戦時糧食(War Ration)

本書の冒頭には、100人・1週間分の糧食支給表(男性用・女性用)が載る。パンは1日1人あたり約1ポンド、肉は牛肉の枝肉・コンビーフ・羊肉・ソーセージを日替わりで組み合わせ、チーズと「ブルーボイラー」と呼ばれる乾燥エンドウ豆が、栄養の要として毎日使うよう強く求められた。

糧食は「科学的に組み立てられたバランスの取れた食事」だと本書は説く
乾燥DEHYDRATED

乾燥食糧の部

前線・熱帯地域への補給の切り札が乾燥食糧だった。重量と容積を減らし、ビタミンとミネラルを保ち、缶詰一辺倒の単調さを救う。本書後半には、乾燥羊肉・乾燥野菜を水で戻して作る専用のレシピ群と、材料ごとの浸水時間・吸水量の表がまとまっている。

乾燥羊肉は少なくとも2時間、根菜は1時間半以上の浸水が目安
小麦WHOLE WHEAT

発芽・製粉小麦の部

小麦を粒のまま発芽させる、あるいは部隊の製粉器(グリスター)で挽いて使う実験的な章。発芽でビタミンCを補い、製粉した小麦と小麦粉を半々に混ぜてパンを焼く。1943年にはアサートン高原で給養隊による乾燥食糧・全粒小麦の実演も行われた。

本書末尾の章「全粒小麦を糧食の常備品として使う」より

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カテゴリと収録区分で絞り込めます。各レシピは「材料(原文の記載)」「材料(現代語訳)」「原文」「作り方(現代語訳)」の順で読めます。原書には番号付きで約300のレシピがありますが、ここに収録したのは、そのうち材料と作り方の全文を原書スキャンで確認できた46品です。分量はすべて原書のまま100人前で、単位はポンド(lb)・オンス(oz)・ガロン・パイントの原書表記を残し、換算の目安は用語集にまとめました。原文の引用は、国立オーストラリア図書館が公開する原書スキャン(著作権切れとして公開)に基づき、明らかな誤植と分数表記のみを整えています。

条件に合う料理が見つかりませんでした。カテゴリや区分を変えてお試しください。

原文を読むための用語集

原書には、当時のオーストラリア陸軍の厨房言葉や略語が多く出てきます。原文を読む手がかりに。

Blue Boiler Peas
「ブルーボイラー」と呼ばれる乾燥エンドウ豆。チーズと並んで糧食の栄養の要とされ、原書は「毎日使うよう、あらゆる努力をせよ」と命じる。使う前に24時間の浸水が基本。
M&V
Meat and Vegetables(肉と野菜の缶詰)の略。開缶してそのまま、あるいはパイやカレーにして出す糧食の主役で、原書には「100人分の肉野菜糧食」と題する専用の節がある。
Preserved Meat
保存肉。缶詰の牛肉(いわゆるブリー・ビーフ)で、前線の蛋白源の中心。加熱済みなので、原書のレシピでは「温め直すだけ」「最後に加える」扱いが多い。
Dripping
ドリッピング。肉を焼いたときに出る脂を集めて澄ましたもの。バターの代わりに炒め物・揚げ物・ペイストリーに使う、軍隊厨房の基本の油脂。
Dixie
ディクシー。楕円形の大型調理鍋(キャンプ・オーバル)。コーヒーのレシピでは「ディクシー2杯(6ガロン)の水」という具合に、容器そのものが計量単位になっている。
Soyer Boiler
ソイヤー式煮沸器。クリミア戦争期にアレクシス・ソイヤーが考案した野戦用ストーブの流れを汲む大型ボイラー。スクランブルエッグを「1時間蒸す」手順に名前が出てくる。
Pannikin
兵士の携帯カップ。原書の「軍用容器の換算表」では、パンニキン1杯=乾燥じゃがいも6オンス、乾燥羊肉10オンスなど、秤のない現場の計量単位として定義されている。
Gristed Wheat
部隊の製粉器で粗く挽いた全粒小麦。小麦粉と半々に混ぜてパンやビスケットに使う。挽きたての全粒粉で、糧食の幅を広げる工夫だった。
lb / oz / gallon
原書の単位は英制。1ポンド(lb)≒454g、1オンス(oz)≒28.4g、1ガロン≒4.55リットル、1パイント≒568ml。100人前を家庭の分量にするなら、まず100で割ってから換算するとよい。

出典・原文にあたるには

このページの引用と記述は、以下の公開史料に基づきます。原書の全文は、国立オーストラリア図書館のデジタルコレクションで誰でも読めます(同館の表示では著作権切れ)。

よくある質問

このレシピ集の収録方針と使い方について、よくある質問をまとめました。

収録されているレシピは何品ですか?

46品です。原書『Army Cooking Manual』(1944年)には番号付きで約300のレシピがありますが、このページに収録したのは、そのうち材料と作り方の全文を原書スキャンで実際に確認できたものだけです。料理名だけが目次で確認できても、作り方が書かれていないものは収録していません。

分量がすべて100人前なのはなぜですか?

原書の記載のまま載せているためです。この教本は部隊の厨房で使う実務書で、全レシピが100人前を基準に書かれています。家庭で再現する場合は、まず100で割って人数分に直し、ポンド・オンス・ガロンなどの単位は「原文を読むための用語集」の換算目安で置き換えると作りやすくなります。

英語の原文はどこで確認できますか?

各レシピのページ内に、材料と作り方の原文(英語)をそのまま掲載しています。原書の全文は国立オーストラリア図書館のデジタルコレクションで誰でも読めます(同館の表示では著作権切れ)。リンクは「出典・原文にあたるには」の節にまとめています。

現代語訳はどのように付けられていますか?

各レシピには「材料(原文の記載)」「材料(現代語訳)」「原文」「作り方(現代語訳)」を併記しています。分量や単位は原文の表記のまま残し、訳は読みやすさを優先した現代日本語にしています。創作した「原文」は載せていません。

利用は無料ですか?

はい。全46品を無料で読めます。会員登録やアプリのインストールは不要で、ブラウザでそのまま開けます。

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